POINT
前項まで頭部外傷に対するCT撮像の適否やピットフォールを述べてきた。本項では頭部外傷の急性期に撮影したCTの診断について解説する。日本と米国では頭部外傷の救急患者のほとんどを急性期病院の脳神経外科医が診るが、欧州諸国では外科治療が必要ない軽症頭部外傷は神経内科や一般医が診るそうである。日本でも頭部外傷の診断・処置は初期研修医の必修項目だが、CTの所見によっては脳神経外科医に送ったり、応急処置を他科の当直医やプライマリ・ケア医が行うことが多い。急性期に適切な診断・治療をしないと生命に関わる疾患であり、急性期のCT診断は非常に重要である。