POINT
頭部打撲や脳震盪を含めれば、頭部外傷は頻度の高い疾患である。意識障害があったり重症であれば、救急車で脳神経外科のある病院へ搬送されることが多いと思われる。症状が軽度の頭部打撲、脳震盪では、一般のかかりつけ医や、夜間や休日であれば救急外来を受診することも少なくない。しかし、神経症状や頭蓋骨骨折などがなければ頭部CTではほとんど異常は認められない。
本項では頭部外傷に対して頭部CTはどの程度役立つのか、どのような症例であれば頭部CTを撮像すべきか、または撮像できる施設へ送るべきかを考える。