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第13回
外国人診療で増えつつある「母国の親戚」問題

2017/12/14
小林米幸(小林国際クリニック院長)

 以前からAMDA国際医療情報センターの無料電話相談にときどき寄せられてはいたが、近年、母国の親戚を診てほしいと頼まれることが増えたように感じる。政府が外国人観光客を少しでも多く招き入れようと取り組んだ影響だろうか。

 ある日、以前からよく知っている在留ベトナム人男性がクリニックにやってきた。ベトナム語の通訳を仕事にしており、よく連絡を取っている男性だ。受付スタッフによると「今回は診察ではないけれど、先生に会いたい」と言っているという。会ってみると、目的はベトナムに残してきた彼の妹を診てほしいという依頼だったことが分かった。

 どうやら彼の妹は、何らかの疾患で視力が落ち、ベトナムでレーザー治療を受けているのだという。ベトナムの医師には、「さらに視力が落ちて、いずれ見えなくなる可能性がある」と言われ、ちょうど妹が観光で日本に来るため、そのときに日本で目の病気を調べてもらい、できるなら治療につなげたいので助けてほしいという依頼だった。

著者プロフィール

1974年慶應義塾大学医学部卒。神奈川県大和市立病院外科医長、内視鏡室長、1985年からはインドシナ難民大和定住促進センター嘱託医を兼任。1990年に小林国際クリニックを開設。翌年、在日外国人への医療情報の提供や、日本の医療機関への外国人医療に関する情報提供、診療時の電話通訳を行うAMDA国際医療情報センターを立ち上げ、所長に就任。

連載の紹介

小林米幸の外国人医療奮闘記
日本の常識が通用しない医療——。それが外国人診療です。常識の違いに日々悩みつつも、「困ったときはお互いさま」をモットーに1985年から外国人を診療し続けてきた小林米幸氏が、実際に体感した国による文化や医療の捉え方の違いを紹介します。

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