インフルエンザ迅速診断キットについて、臨床で最も気になるのは感度だ。キットの改良、実施者の検体採取の技術の向上により、感度、特異性ともに向上している。しかし、検体の種類やインフルエンザの型によって、感度に差が見られるのも事実だ。
日本臨床内科医会では、最近の2シーズンにおいて感度を調べた(表1)。その結果、検体の種類では、鼻腔吸引液の感度がA型およびB型で100%という成績が得られた。咽頭ぬぐい液では感度が若干低い傾向が見られ、咽頭ぬぐい液よりも鼻腔ぬぐい液の方が感度は若干高かった。成人と小児の成績を比較すると、一般に小児の感度が良い傾向があるが、年齢による差はほとんどないと考えてよい。
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著者プロフィール
日本臨床内科医会は、2000/2001年シーズンから大規模インフルエンザ多施設研究を実施し、多くのエビデンスを蓄積してきた。これらを基に作成した「インフルエンザ診療マニュアル」の一部を、本連載で紹介する。

連載の紹介
【臨床講座】インフルエンザ診療 虎の巻
今年もインフルエンザのシーズンが到来しました。ここ数年で相次いで発売された迅速診断キットや抗インフルエンザ薬を日常診療でいかに使いこなすか、インフルエンザ診療のポイントを解説します。
この連載のバックナンバー
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2007/01/15
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2007/01/08
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2006/12/18
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2006/12/11
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2006/12/04