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どこかで起きていてもおかしくないエラー症例(Case No.24)
通常とは異なるプレゼンテーションを呈した症例
「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」吉田兼好

2021/11/30
松浦 宏樹 (岡山市立市民病院総合内科)

 吉田兼好が記した随筆「徒然草」の第52段「仁和寺にある法師」は、仁和寺のある法師が高齢になるまで果たせなかった石清水八幡宮への参詣を思い立ったところから始まります。しかし法師は石清水八幡宮の正確な位置や周囲の状況を把握していなかったことがあだとなり、山麓の極楽寺と高良神社を石清水八幡宮と勘違いしたため、念願であった石清水八幡宮への参詣を果たすことができませんでした。この出来事を引き合いに兼好は「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり(小さな事柄にも助言を与えてくれる案内人が必要である)」と結んでいます。以下に紹介するどこかで起きていてもおかしくないエラー症例は、この言葉を思い出させるものでした。

著者プロフィール

日本病院総合診療医学会の若手部会診断エラーチーム(担当理事:獨協医科大学総合診療科の志水太郎氏)のメンバー。

連載の紹介

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