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Plenary Lecture◎国際的な診断エラー学の展開と日本の歩み
オスラー式フィードバックで診断エラーを減らす
「たゆまぬ監視の眼」を自分自身の内的世界に向けよう

2019/03/05
徳田安春(群星沖縄臨床研修センター)

群星沖縄臨床研修センターの徳田安春氏

 1999年に米国のIOM(Institute of Medicine)が「To Err is Human」というリポートを発表して以来、医療事故のリスクは想像以上に高く、患者安全の脅威となっているとの認識が世界中に広がった。ここでの医療安全理論は、システムエラーの予防を中心に構築されていた。確かに、システム主義によるエラー理論に対して、コミュニケーションやエルゴノミクスの改善によってエラー予防を図ろうとした努力は一定の成果をもたらした。

 しかし最近になり、患者安全における診断エラー予防の重要性が強調されてきている1)。実際、患者診療で発生する診断エラーは、担当する個々の医師の認知的判断に依拠する部分が大きい。誤診と診断の遅れやそれに伴う治療介入の遅れは、しばしば致死的な結果となることがある。しかも、診断エラーの頻度は、意外に多いということも判明した。

 このような背景から近年、米国の National Academy of Medicine (NAM)が「Improving Diagnosis in Healthcare」というリポートを発表した。NAMは先のIOMが改変されてできた機関である。「Improving Diagnosis in Healthcare」は、「医療安全における診断エラーの予防は、今後改善すべき分野である」と述べた。そして、このリポートが発表されてから、メジャーな臨床医学系雑誌や学術会議などでこのテーマが取り上げられるようになった。

著者プロフィール

日本病院総合診療医学会の若手部会診断エラーチーム(担当理事:獨協医科大学総合診療科の志水太郎氏)のメンバー。

連載の紹介

診断エラー学のすすめ
診断エラー学は、海外では研修医や医学生に対する教育分野で非常に注目されている新しい学問です。日本でも、総合診療に従事する医師らが日本での診断エラー学の普及に乗り出しました。そのプロセスと成果を報告していただきます。

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