
インターネットやSNS上では、すっかり悪者扱いされている医師の製薬会社からの報酬、すなわち「製薬マネー」。よく「謝礼」という言葉にすり替えられていることがあるのですが、講演料などは「いや、ちゃんとした対価だから……」と思わずにはいられません。私はアカデミアの世界でエラい部類に入る医師ではないので、製薬会社の講演にそれほどお呼ばれすることはないのですが、世間一般では「黒い金」のように扱われ、イメージがよくないのは事実です。
とはいえ、医師への講演料の支払いについては、透明性を確保するため基本的に公開されています。2011年に日本製薬工業協会(製薬協)が「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」を策定し、2014年以降、製薬会社から医師や医療機関に支払った年間の金額を各社のウェブサイトなどで公開しています(製薬協は加盟企業のリンク集も掲載しています)。
なので、後ろめたいことをやっているわけではないのだから、「いくらもらった」と揶揄(やゆ)されようと、堂々としていればよいのです。言われるのがイヤなら、最初から報酬が発生する講演を引き受けないことです。