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年明けの相場でいい加減気付け! FXは危ない!

2019/03/22

 FXとは、外国為替証拠金取引のことで、簡単にいえば為替でトレードをすることを意味します。1ドル100円のときに1万円で100ドルを買って、1ドル110円になったとき100ドルを1万1000円で売れば1000円の儲けが出る、そういう類のものです。すごくザックリと書いていますので、実際はもっと複雑です。

 私が長い個人投資家人生で絶対に手を出さないようにしているのが、FXです。理由は簡単です、値動きが予想できないからです。株式とて値動きを予想できるものではありませんが、株価形成にはロジックがあります。為替は投機的な動きをすることが多く、ロジックもへったくれもないのです(こう書くとFXトレーダーから反論されるのですが)。

 例えば代表的なドル円で見てみると、アメリカの通貨であるドルが大きく買われるときは、ドルのニーズが高くなりドル高になります。相対的に円安になりますから、日本の輸出企業にとってはウハウハです。逆に、アメリカの経済に懸念が生じて、ドルが大きく売られるときは相対的に円高になり、輸出産業に頼っている日本の景気も悪くなります。

 皆さんはトランプ大統領が当選したとき、ドル円はどちらに動いたと思いますか?

 ヒラリー・クリントンとトランプの大統領選の開票日を2日前に控えた2016年11月7日、為替は1ドル104円でした。当時、ヒラリーが優勢だし大丈夫だろうと誰もが思っていました。もしトランプが当選すれば破天荒な政治をするリスクがあり、アメリカ経済は混乱に陥るかもしれない。そうなれば、ドルは売られ、「ドル安円高」になることは必至です。

 そして11月9日の大統領選開票当日、恐れていたことが起こりました。トランプが優勢に転じたのです。ヒラリー優勢と踏んでいたマーケットは、パニックです。ドル円は101円まで急落しました。もう世界経済は終わってしまうのではないか、そういう意見すら出てきました。

 トランプ大統領当選が確定しました。さて、ドル円はどうなったでしょう。1ドル90円台に急激に円高が進んだのでしょうか。いえ、違います。実はここから一気に向きを変え、1ドル106円台まで急回復したのです。

 トランプ大統領が経済政策を強く打ち出していたこと、などの様々な後付け理論はありますが、いまだにこの大統領選は世界中の為替トレーダーを大きく混乱させた出来事として語り継がれています。

 何が言いたいかというと、ロジックではこう動くだろうという予想があっても、実際はその逆に動くこともしばしばあるのです。そしてFXにはレバレッジ(てこ)という仕組みがあり、口座に入れたお金の最大25倍までの取り引きが可能です。つまり、レバレッジをかければ儲けも25倍になりますが、損も25倍になるのです。ロジックが読めない上に、急激な為替変動が起きると取り返しのつかない損害を受けてしまう可能性があるのがFXの大きなリスクだということです。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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