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医療保険より100倍マシ! 学資保険の選び方

2018/06/22

 以前のコラム「民間の医療保険? そんなの入る必要ありません」でも書きましたが、保険というのは「起こってしまうと経済的にダメージが大きいため、多少損をしても保険料を支払うのはやむを得ない」と割り切れる商品に入るのが基本です。高額療養費制度という素晴らしい制度のおかげで経済的ダメージは限定的であるにもかかわらず、わざわざ医療保険に入るなんて……。ある程度の貯蓄がある医師にとっては、無駄以外の何ものでもありません。

 医療保険はともかく、学資保険については色々な意見があります。何てったって、元本保証をしてくれる可能性が高いからです。また、子どもの教育資金を積み立てているという構図には一種の「清らかさ」のようなものがあって、投資をしているという感覚が薄れるため、ハードルも比較的低いです。

 生命保険会社の学資保険の中には、親が30歳から払い込み続けていると、子どもが大学生になる頃には返戻率(へんれいりつ)が110%近くになるものもあります。すげぇじゃん、10%の利益が出るじゃん! 絶対入るっしょ!

 そう思いますよね。ただし、入る前に学資保険の落とし穴をちょっとだけ理解しておきましょう。

 100万円が20年後に110万円になるという学資保険では、1円の価値が今と同じかどうかが重要なポイントになります。この110万円という返戻金が払い込んだ額より1.1倍の価値を持つということには、現在の円の価値がそのまま維持されているという前提があります。

 バブルが崩壊してからアベノミクスが始まるまで日本は長期間のデフレでした。現在、国はデフレ脱却を進めていますが、このままデフレが続くか、インフレに傾くかどうかは不透明な状況です。学資保険ではインフレヘッジ(円の価値が下がるリスクに備えること)ができないという点は押さえておく必要があります。例えば20年かけてインフレがじわじわ進んで円の価値が0.8倍に下がった場合、20年後の返戻金110万円の価値は今の100万円の価値を下回ってしまいます。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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