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今から区分マンション投資?それは自殺行為です

2018/02/23

事務:「先生、日本医療という会社から電話がかかっています」
医師:「(ん?どこの会社だろう)つないでください。」
男 :「こんちゃーーッス!先生、突然さーせん!」
医師:「はあ」
男 :「ここだけのハナシなんですが、先生は、節税に興味がありますか?」
医師:「あの、日本医療ではないんですか?」
男 :「お忙しいところすいません、ほんとに! 実は今日は、先生方の投資のお手伝いができればとゆーことで、お電話しました!」

 これを読んでいる医師の9割以上は、こういう電話をもらった経験があるはずです。これは、ほとんどが区分マンション投資をもちかける悪徳業者で、医師の持っている潤沢なキャッシュをどうにかして手に入れようと、片っ端から電話してバカな医師を探しているのです。

区分マンション投資って何ですか?
 区分マンション投資というのは、マンションの部屋を区分所有し、主に家賃収入を得ることを目的とした投資方法です。不動産投資の中ではリスクは低めですが、キャッシュフロー(投資効率)も低いというデメリットがあります。これ、どういうことか分かりますか?

 不動産価値というのは、建物の価格と土地の価格で決まります。分譲マンションを買ったことがある人ならご存知でしょうが、土地の価格も書いてありますよね。区分マンションは、評価額のほとんどが建物部分の価格で、土地部分の評価額が相対的に低くなります。

 そして、鉄筋コンクリート造のマンションの法定耐用年数は50年足らずで、その期間で建物部分の価値がほぼゼロになります。まだまだキレイだとか、全然住めるとか、そういうことは関係なくて、とにかく長期に保有すればするほど建物部分の不動産価値はゼロに近づくのです。

 私の知り合いの内科医で区分マンション投資をしている人がいるのですが、入居率100%なのに、修繕積立金やら、管理費やら、固定資産税やら、所得税やらで、利益のほとんどを持っていかれ、現時点ですでに赤字になっています。しかも修繕積立金は年々上昇していくので、彼が区分マンション投資で利益を出すには家賃を値上げするしかありません。しかし、朽ちていくマンションで家賃を上げていくのは土台無理な話ですよね。たとえ室内をリフォームしたとしても、誰が古いマンションに高い家賃を払いますか。

 毎年赤字が出るくらいなら、とっとと売ってしまえばいいだろう、と思いますよね。でも、彼が選んだ(つかまされた)のが良い物件でなかったというのもあるのですが、高い売値がつかず、無理をして売却をしてしまうと大きな赤字を確定させてしまう状況だそうです。毎年持ち出しがあるのに、売るに売れないという負のスパイラルに陥っています。このように、株式投資と違って、損切りが簡単にできないのが不動産投資のつらいところです。

相続税対策になるかどうかもよく考えて
 悪徳不動産屋が、情報弱者である医師を口説く常套文句として「相続税対策になりますよ」というのがあります。相続税は、相続する全財産に税率をかけて計算するわけですが、現金でそのまま相続するよりも、不動産にしておいた方が土地や建物の評価額が下がる(計算上の財産が減る)ので、結果的に節税になる、というロジックです。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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