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来年からオトクな「つみたてNISA」が始まるよ

2017/12/21

 テレビCMなどで「ニーサ」という言葉を耳にしたことがある人も多いと思います。NISA(Nippon Individual Savings Account)というのは、株式や投資信託の売買で得た利益に税金がかからないという夢のような制度です。

 通常、10万円の株式を買って11万円で売却した場合、1万円がまるまる手に入るわけではなく、税金が20%かかり手元には8,000円しか残りません。しかし、NISAを使えば1万円が手に入ります。NISAを使うには、金融機関でNISA口座(非課税口座)を作り、そこで取引をすればOKです。

 NISAを使った投資は、1年間で120万円が上限となっています。少額で株式投資を始めたい人は、1年間で120万円も買わないでしょうから、NISAでの運用から始めた方がよいでしょう。NISAでは、毎年120万円の金融商品(株式や投資信託など)が購入でき、非課税期間は5年間ですから、非課税で保有できる投資総額は最大600万円となります。まあでも、多くの個人投資家にとって、1年120万円は少なすぎるので、不満の声が挙がっていたりもします。

 そして来月、2018年1月から運用が開始されるのが「つみたてNISA」です。つみたてNISAは、投資信託のみが対象です。投資信託とは、投資家から集めたお金を資金として専門家が株式や債券などに投資・運用する商品のことです。株式と違って分散が利いているので、比較的安定した値動きで、安全に資産形成ができるよう配慮されています。つまり、投資信託を対象にした「つみたてNISA」は、ちまちまと買い続けて積み立てていくことが前提です。もちろん、つみたてNISAも、売却に際して一切税金がかかりません。

 つみたてNISAと現行のNISAでは、運用できる金額も違います。先ほど述べたように現行のNISAは年120万円までの投資が上限ですが、つみたてNISAではそれが年40万円です。え? NISAより少ないじゃん、と思ったかもしれませんが、つみたてNISAの非課税期間は20年間なので、20年間続けて40万円ずつ投資すれば、非課税の恩恵を受けながら投資可能な額は最大800万円となり、現行のNISAを上回るんです。

 投資対象が投資信託に限定されるとはいえ、運用する800万円に全く課税されないというのは大きなことです。普通なら20%もっていかれる税金がゼロになるわけですからね。


現行NISAとつみたてNISAはどちらかしか選べない

 注意したいのは、現行NISAとつみたてNISAは併用できないという点です。私は現在、SBI証券で現行NISAを上限まで使い切って投資をしています。来年から投資信託に切り替えて、つみたてNISAに移行するという手もあるわけですが、私はまだ30代ですし、ある程度リスクを取って運用してもよいという考えから、現行NISAのままで継続する予定です。

 株式投資の勉強が煩わしいと思っている人や安全に運用することを優先したいと思っている方は、つみたてNISAの方がよいかもしれませんね。

 なお、つみたてNISAに限らず、投資信託を積み立てていくというのはドルコスト平均法という理念に基づいた安全な運用です。でも、損失が出る可能性もゼロではありません。世界経済が右肩下がりに落ちていくようになったら、おそらく運用している投資信託の基準価格も下落し、マイナスに転じることになるでしょう。ですから、つみたてNISAで、いくら売却益に税金がかからないと言っても、損失を被る可能性がある点については心に留めておいてください。

※ドルコスト平均法:金融商品を購入する場合に、定期的に一定金額を購入することで、定期的に一定数量を購入する場合よりも有利な取得価額に分散をすることができるという投資法。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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