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投資信託? あなたカモにされていませんか?

2017/08/03

 「オレ、投資信託で積み立てしているんだ!」なんて、人前で声高らかにアピールするドクターは多くないかもしれませんが、どうやら医師の中には「投資信託」というものに憧れている方が少なからずいるようで、私は、そうした自称・財テクドクターを数えきれないほど見てきました。

 投資信託とは何かというと、投資信託協会のホームページによれば「投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する商品」のことです。もっと簡単に言えば、自分の資産を専門家に預けてうまいこと運用してもらうという投資です。

 でも私は、この投資信託ってのがあまり好きではありません。資産を「守る」ためには良い投資先かもしれませんが、資産を「増やす」点ではほとんど役立たずだからです。

 ……とか言いながら、実は私も資産の10%くらいを投資信託に投じています。長らく、レオス・キャピタルワークスという会社の「ひふみ投信」に投資しているのですが、これは、私がこの会社の社長の藤野英人さんと直接お話しをして、投資に値する投資信託であると確信したからにほかなりません。藤野氏は、投資先の企業を訪問して社長と話をし、有望と思われる中小型株に投資をしている投資家の鏡のような存在です。実際、この投資信託での積み立てで、私は元本を2倍に成長させることができました。

 じゃあ、そういう神様のような人が運営する投資信託に投資すればいいんだ、と思うかもしれませんが、このようなグングン成長する投資信託というのは非常にまれです。現在、日本で販売されている投資信託のほとんどは、惨憺たる運用成績です。

 投資信託についてもう少し勉強していくと、値上がり重視の「アクティブ型」と、値動きが少ない「パッシブ型」の2つの選択肢があることが分かります。パッシブ型の代表的なものがインデックス投資信託です。インデックスというのは、日経平均株価だのダウ平均株価だの、その国や地域の株価指標のことを表します。「個別の株ではなく世界的な経済を相手に資金を積み立てていこうぜ」というやり口です。大きくは儲かりませんが、大きく損をすることはありません。

 「そりゃ資産を増やすなら、値上がり重視のアクティブ型でしょ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それも、そんな簡単な話ではありません。アクティブ型の投資信託は、コスト(信託報酬)が高いという難点があるからです。

 アクティブ型の投資信託は、年間の信託報酬が1~2%くらいのイメージです。これはどういうことかというと、100万円預けて運用してもらったら、金融機関が「1年後に1~2万円の手数料を頂きます」ということです。つまり、年1~2%以上の利益が出せない投資信託だと、あなたの資産は目減りしていくだけなのです。

 金融機関の方には怒られるかもしれませんが、あえて申し上げます。これをお読みの医師の皆さんは、銀行や証券会社で薦められる「投資信託」には絶対に手を出さないでください。銀行などでは十中八九、アクティブ型の投資信託を薦められます。そりゃあ、厳しいノルマが課せられているであろう営業担当者が、高い信託報酬が取れる商品を押し売するのは当然といえば当然です。

 統計上、株式を中心に1~10年運用してきたアクティブ型投資信託のうち、パッシブ投資信託の運用成績の中央値を上回れたのは、せいぜい3~5割です。アクティブ型なのに、半数以上が運用成績でパッシブ型を上回れていないんです。パッシブ投信残高比率は2017年3月末で28%ですから、いかに多くの人が「儲からないアクティブ型投資信託」にカモにされているか分かります。

 上述したレオス・キャピタルワークスの藤野英人さんのように、敏腕ファンドマネージャーがいる会社であれば、アクティブ型投資信託であろうと安心してお金を預けることができます。他に、鎌倉投信の「結い2101」などもそうでしょう。

 どの商品に価値があるのかは、インターネット上にもゴロゴロと情報が転がっています。いくらでも情報は自分で入手できるのです。ゆめゆめ、銀行や証券会社の窓口で「どの投資信託がいいですかね~」などと、アドバイスを求めたりしないでください。

 その時点で、あなたはもうカモなのですから。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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