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忙しい医者に株式投資なんて無理…でもない

2017/03/16

 日本では株式投資について、いまだに「ギャンブル」「コワイ」という偏見が残っています。周囲に「オレ、株をやってるんだ」と漏らそうものなら、すぐに「あいつはギャンブラーだ」というレッテルを貼られます。医師がそんなことを口にしようものなら、なおさらです。「金の亡者」「強欲ドクター」と罵られること、間違いありません。

 私がこのコラムを匿名で書いているのも、そうした理由からです。私は一介の勤務医ですから、これを読んでいる皆さんや私を知る周囲の医療関係者に「おまえは金にまみれた医師だ」などと面と向かって非難される勇気はありません。

ダンスといってもブレイクダンスじゃない
 一般に個人投資家というと、6つだか8つだか、たくさんのディスプレイをデスクの前に設置して、せわしなくカチカチやっている人を想像される方が多いようです。個人投資家としてテレビにも登場することの多い、あの人たちのほとんどが「デイトレーダー」です。

 デイトレードというのはその名の通り、日々の値動きを利用してコツコツ稼ぐやり方です。例えば、100円の株価がついている企業を「いつか150円くらいで売りたいなぁ」と思って長く保有するのが中長期投資ですが、これに対してデイトレードでは、100円で買って103円で売って、102円で買って104円で売って、という細かいキザミで売買していきます。株価は生き物のように日々変化するので、そのうねりをうまくとらえて利益を得るのです。

 私には、そんな短期的な値動きを予想する超能力はありませんので、ほとんどの投資が、月~年単位です。有望だと思う企業の株を買い、腰を据えてじっくりと株価が上がるのを待ちます。

 このように、デイトレーダーと中長期投資メインの個人投資家の間には雲泥の差があります。ダンスに例えるなら、「ブレイクダンス」と「社交ダンス」くらいの差です。30代のオッサンに「私、ダンスやってるんです」と言われてブレイクダンスをイメージする人は多くないのに、「私、株をやってるんです」と言われると、なぜだかデイトレーダーを頭に浮かべてしまうんです。ぶーぶー、偏見だ偏見だー。

 2008年のリーマンショックでは、オーバートレード(身の丈を超えた運用額や銘柄でトレードすること)しすぎた人たちの多くが、自らの資産を削られました。リスク管理ができておらず、大きく損をした個人投資家たちは、きっと「二度と株式投資なんてやらないぞ」と思ったことでしょう。そうした人たちが、後世に伝えるのです。「株は危ない」と。

 リーマンショックで大きな損失を出したある名家では、それ以後、「株式投資すべからず」というのが家訓になったんだとか。10年近くが過ぎた今でも、リーマンショックのそうした苦い記憶が深く根付いている人たちが少なくないようです。

著者プロフィール

ドクターK●関西の病院で働く30歳代勤務医。リーマンショック後に株式投資に目覚め、資産運用を開始。幾度となく挫折を味わいながら勉強を続け、アベノミクスに乗じて投資資金を大きく増やす。著書に「忙しい医師でもできる Dr.Kの株式投資戦術」。

連載の紹介

Dr.Kの「医師のためのバリュー投資戦術」
忙しい? 時間がない? そんなあなたも大丈夫! 日常臨床をバリバリこなす超多忙な現役若手医師が、バリュー投資と上手な資産運用のコツを教えます。【注】当コラムは投資にあたっての参考情報を提供するものです。投資判断は自己責任でお願いします。

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