日経メディカルのロゴ画像

爪甲周囲の病変を覚えよう(1)
爪の回りにできものがあるんです…

2019/12/24
佐藤 俊次(さとう皮膚科)

 今回からは、爪甲周囲にできる病変です。爪甲周囲に生じる病変としては、(1)尋常性疣贅、(2)ガングリオン、(3)陥入爪、(4)ひょう疽、(5)鶏眼、(6)トゲ刺傷、(7)後天性被角線維腫、などがあります。

 今回はまず尋常性疣贅を見ていきましょう。

 後爪郭や側爪郭、および爪甲下に生じた尋常性疣贅(図1、2、3、4)は、肉眼による臨床診断はもちろん可能です。しかし、時にBowen病との鑑別が必要なことがありますので、ダーモスコピーで確認することが大切です。Bowen病では、爪甲外側部の爪甲剥離や褐色線条を認めることがあります。

 図1は後爪郭部に生じた尋常性疣贅です。病変の周囲を取り囲む帯状の構造(カラー=襟巻、黄色矢印の部分)で境界された、表面粗造な角化の強い結節が見られます。ダーモスコピー(図2)では角化の強い部分に多数の線状血管と点状血管が見られ、その一部では血管の閉塞した黒褐色小点も観察できます。

図1 尋常性疣贅の臨床写真 カラー(→)で境界された表面粗造な結節が見られる。
(画像をクリックすると拡大します)

図2 図1のダーモスコピー像 過角化と平行に走行する線状血管や点状血管、カラー(→)が見られる。
(画像をクリックすると拡大します)

著者プロフィール

佐藤俊次氏(さとう皮膚科[東京都杉並区]院長、皮膚科専門医)●さとう としつぐ氏。1982年防衛医科大学校卒、同年同大皮膚科学教室入局。88年日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得、89年日本医科大学第2病理学教室で医学博士取得。90年東京都杉並区でさとう皮膚科を開業。2010年からオーストリア・グラーツ医科大学の「Basic Dermoscopy Course」(e-ラーニング)を受講開始。14年同コースを終了し、「Basic Dermoscopy Diploma」取得。

連載の紹介

佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」
診療報酬が付く前から独学でダーモスコピーを学び、開業医でありながら、自らの研究成果を国内のみならず海外学会でも発表してきた佐藤氏が、毎日の診療で役立つダーモスコピー活用のポイントを解説します。ダーモスコープ最大手の米国3Gen社の社長から直々に貰った1台は佐藤氏思い出の一品です。
この連載を書籍化しました!
『プライマリ・ケア医のための今日から使えるダーモスコピー』好評発売中

 このたび、この連載「佐藤俊次の『毎日使うダーモスコピー!』」を書籍化いたしました。
 2016年6月から開始したこの連載は、患者の主訴を皮切りとして、ダーモスコピー像を見ながら鑑別疾患を考えていく注目コラムです。
 書籍では、16の主訴を中心に、合計700枚を超える写真をふんだんに使いながら、日常診療でよく見られる皮膚疾患のダーモスコピーの見方を解説しています。ダーモスコピー像に加えて、ダーモスコピー像を画像変換して構造や血管走行などを見やすくした画像を併記しているのは、本邦初です。この画像変換は海外学会でも報告され、ダーモスコピーの理解を助ける方法として注目されています。
 さらに書籍には、日常診療でよく遭遇する皮膚疾患をまとめたカラーアトラスを別冊として同梱。患者説明などにご利用いただけます。
 ぜひ、日々の診療にご活用ください。(佐藤俊次著、日経BP社、7500円+税)

この記事を読んでいる人におすすめ