日経メディカルのロゴ画像

その爪の形、何が原因?(その3)
この爪の溝、異常ですか?

2019/12/02
佐藤 俊次(さとう皮膚科)

 爪に縦、あるいは横の線条・溝ができてしまう患者が時に来院します。自分で爪を切るときに気が付いて、不安になって受診されるケースが多いようです。

1)爪甲横溝
 爪甲横溝は爪甲の横方向に溝ができた状態(図1)をいいます。爪母に障害が生じて一時的に爪甲の成長が抑制されたことが原因です。溝の幅が障害の時間、溝の深さが障害の程度を表しているといわれています(図2)。全身疾患の影響や爪周囲の炎症により生じますが、全指(趾)に見られれば内因性と考えられます。内因性の爪甲横溝をBeau’ s lineといいます(ただし、Fitzpatrick’s DERMATOLOGY IN GENERAL MEDICINEなど洋書では内因性と外因性とを特に区別していないものもあります)。外来での印象では、女性に多く見られると思います。

図1 臨床写真 本例では横溝が3本観察できる。スポーツによる外因が疑われた。
(画像をクリックすると拡大します)

図2 臨床写真 靴の圧迫が原因と思われる爪甲横溝。幅が1mm程度で深い横溝が規則的に並んでいる。既に爪上皮部分では爪甲が爪上皮から剥がれて次の横溝が準備されているのが分かる。
(画像をクリックすると拡大します)

著者プロフィール

佐藤俊次氏(さとう皮膚科[東京都杉並区]院長、皮膚科専門医)●さとう としつぐ氏。1982年防衛医科大学校卒、同年同大皮膚科学教室入局。88年日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得、89年日本医科大学第2病理学教室で医学博士取得。90年東京都杉並区でさとう皮膚科を開業。2010年からオーストリア・グラーツ医科大学の「Basic Dermoscopy Course」(e-ラーニング)を受講開始。14年同コースを終了し、「Basic Dermoscopy Diploma」取得。

連載の紹介

佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」
診療報酬が付く前から独学でダーモスコピーを学び、開業医でありながら、自らの研究成果を国内のみならず海外学会でも発表してきた佐藤氏が、毎日の診療で役立つダーモスコピー活用のポイントを解説します。ダーモスコープ最大手の米国3Gen社の社長から直々に貰った1台は佐藤氏思い出の一品です。
この連載を書籍化しました!
『プライマリ・ケア医のための今日から使えるダーモスコピー』好評発売中

 このたび、この連載「佐藤俊次の『毎日使うダーモスコピー!』」を書籍化いたしました。
 2016年6月から開始したこの連載は、患者の主訴を皮切りとして、ダーモスコピー像を見ながら鑑別疾患を考えていく注目コラムです。
 書籍では、16の主訴を中心に、合計700枚を超える写真をふんだんに使いながら、日常診療でよく見られる皮膚疾患のダーモスコピーの見方を解説しています。ダーモスコピー像に加えて、ダーモスコピー像を画像変換して構造や血管走行などを見やすくした画像を併記しているのは、本邦初です。この画像変換は海外学会でも報告され、ダーモスコピーの理解を助ける方法として注目されています。
 さらに書籍には、日常診療でよく遭遇する皮膚疾患をまとめたカラーアトラスを別冊として同梱。患者説明などにご利用いただけます。
 ぜひ、日々の診療にご活用ください。(佐藤俊次著、日経BP社、7500円+税)

この記事を読んでいる人におすすめ