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指の色素性病変の診かた(4)
皮丘平行パターンには気をつけよう

2018/12/19
佐藤 俊次(さとう皮膚科)

 前回(関連記事:皮溝平行パターンなら良性の色素細胞母斑)は、ほとんどの場合に良性の色素細胞母斑と診断できる皮溝平行パターンについて見てきました。

 今回は、幾つかの例外を除いて、感度86%で悪性黒色腫とダーモスコピー診断が可能なダーモスコピー所見である皮丘平行パターンを解説します。皮丘平行パターンは、斎田俊明先生が確立した、掌蹠の悪性黒色腫のダーモスコピー所見であり、皮丘部に色素沈着がみられたときは必ずメラノーマを疑う必要がある所見です(関連記事:足の裏にホクロが…。メラノーマですか?)。ですから、皮丘平行パターンが見えたときは、慎重に診察を進めていく必要があります。

 悪性黒色腫では、表皮突起にエクリン汗管の付いたcrista profunda intermediaに発症した異型メラノサイトがメラニン顆粒を産生し、皮丘部の角層に不規則なメラニン柱を形成します。異型メラノサイトが不規則に増殖するため、場所によりメラニン柱の濃度やメラニン顆粒の真皮内への滴落の程度が異なり、ダーモスコピーではムラのある皮丘の色素沈着や灰色や青色などの無構造領域として観察されます(図1)。

図1 皮丘平行パターンを示す病変の表皮の断面図 crista profunda intermediaに発症した異型メラノサイトの不規則な増殖により、メラニン柱の濃度の違いやメラニン顆粒の真皮内への滴落の程度に違いが起こる。その結果、ダーモスコピーではムラのある皮丘の色素沈着や灰色や青色などの無構造領域として観察される。
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著者プロフィール

佐藤俊次氏(さとう皮膚科[東京都杉並区]院長、皮膚科専門医)●さとう としつぐ氏。1982年防衛医科大学校卒、同年同大皮膚科学教室入局。88年日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得、89年日本医科大学第2病理学教室で医学博士取得。90年東京都杉並区でさとう皮膚科を開業。2010年からオーストリア・グラーツ医科大学の「Basic Dermoscopy Course」(e-ラーニング)を受講開始。14年同コースを終了し、「Basic Dermoscopy Diploma」取得。

連載の紹介

佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」
診療報酬が付く前から独学でダーモスコピーを学び、開業医でありながら、自らの研究成果を国内のみならず海外学会でも発表してきた佐藤氏が、毎日の診療で役立つダーモスコピー活用のポイントを解説します。ダーモスコープ最大手の米国3Gen社の社長から直々に貰った1台は佐藤氏思い出の一品です。
この連載を書籍化しました!
『プライマリ・ケア医のための今日から使えるダーモスコピー』好評発売中

 このたび、この連載「佐藤俊次の『毎日使うダーモスコピー!』」を書籍化いたしました。
 2016年6月から開始したこの連載は、患者の主訴を皮切りとして、ダーモスコピー像を見ながら鑑別疾患を考えていく注目コラムです。
 書籍では、16の主訴を中心に、合計700枚を超える写真をふんだんに使いながら、日常診療でよく見られる皮膚疾患のダーモスコピーの見方を解説しています。ダーモスコピー像に加えて、ダーモスコピー像を画像変換して構造や血管走行などを見やすくした画像を併記しているのは、本邦初です。この画像変換は海外学会でも報告され、ダーモスコピーの理解を助ける方法として注目されています。
 さらに書籍には、日常診療でよく遭遇する皮膚疾患をまとめたカラーアトラスを別冊として同梱。患者説明などにご利用いただけます。
 ぜひ、日々の診療にご活用ください。(佐藤俊次著、日経BP社、7500円+税)

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