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イボがなかなか治りません…。大丈夫ですか?

2017/07/04
佐藤 俊次(さとう皮膚科)

 皮膚科では、病変を見た瞬間に診断を下すことがしばしばあります。頻度の高い疾患ほどその傾向は強いと思います。かつて少し酩酊した状態で受診した患者さんに「なんでそんなにすぐ分かるんだ!」と、これは褒められたのではなくお叱りを受けたことがあります。その時は「皮膚科医はそのように訓練してきているからです」と答えました。しかし、一見ありふれた疾患に見えるものの中に全く異なる疾患が混ざっていることがあります。ここが、皮膚病診療の本当に難しいところだと思います。

 ありふれた疾患と思ったときであっても、どこか少しでも疑問が残るときには、無駄と思わずにダーモスコープをのぞいてみてください。ダーモスコピーがとても役立つことがあります。今回はそんなお話です。

 70歳代男性。以前から手関節部に大きな結節があり、他院にてイボと診断され、液体窒素の治療を続けてきました。「数カ月通ったがちっとも良くならないので」と当院を受診しました。

 右手関節部背側に直径10mm大の角化の強い暗赤色で扁平に隆起した結節が見られます(図1)。痒み・痛みなどの自覚症状はありません。皮疹は中央がややくびれて2個の皮疹が癒合したように見えます。また、メインの皮疹(黄色丸)の周囲には3mmから4mm大の小結節(白丸)が3から4個見られます(図2)。触診では扁平に隆起してザラザラとした硬い感触です。

著者プロフィール

佐藤俊次氏(さとう皮膚科[東京都杉並区]院長、皮膚科専門医)●さとう としつぐ氏。1982年防衛医科大学校卒、同年同大皮膚科学教室入局。88年日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得、89年日本医科大学第2病理学教室で医学博士取得。90年東京都杉並区でさとう皮膚科を開業。2010年からオーストリア・グラーツ医科大学の「Basic Dermoscopy Course」(e-ラーニング)を受講開始。14年同コースを終了し、「Basic Dermoscopy Diploma」取得。

連載の紹介

佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」
診療報酬が付く前から独学でダーモスコピーを学び、開業医でありながら、自らの研究成果を国内のみならず海外学会でも発表してきた佐藤氏が、毎日の診療で役立つダーモスコピー活用のポイントを解説します。ダーモスコープ最大手の米国3Gen社の社長から直々に貰った1台は佐藤氏思い出の一品です。
この連載を書籍化しました!
『プライマリ・ケア医のための今日から使えるダーモスコピー』好評発売中

 このたび、この連載「佐藤俊次の『毎日使うダーモスコピー!』」を書籍化いたしました。
 2016年6月から開始したこの連載は、患者の主訴を皮切りとして、ダーモスコピー像を見ながら鑑別疾患を考えていく注目コラムです。
 書籍では、16の主訴を中心に、合計700枚を超える写真をふんだんに使いながら、日常診療でよく見られる皮膚疾患のダーモスコピーの見方を解説しています。ダーモスコピー像に加えて、ダーモスコピー像を画像変換して構造や血管走行などを見やすくした画像を併記しているのは、本邦初です。この画像変換は海外学会でも報告され、ダーモスコピーの理解を助ける方法として注目されています。
 さらに書籍には、日常診療でよく遭遇する皮膚疾患をまとめたカラーアトラスを別冊として同梱。患者説明などにご利用いただけます。
 ぜひ、日々の診療にご活用ください。(佐藤俊次著、日経BP社、7500円+税)

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