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この手がすごく痒いんですけど、水虫ですか?

2016/06/17
佐藤 俊次(さとう皮膚科)

 東京都内で皮膚科開業医をしている佐藤俊次です。今回、縁あって、日経メディカルOnlineで連載する機会を得ました。

 この連載はダーモスコピーをテーマにしています。なぜダーモスコピーなのか。それは、ダーモスコープが「皮膚科医の聴診器」と呼ばれるほど簡単な仕組みなのに、とても多くの情報を提供してくれるからです。

 一例を挙げましょう。皮膚関連疾患の日常診療において、簡単に診断ができて、投薬治療してこれで一件落着!と思っていた症例のなかに、予想に反して治療が難渋する場合がありませんか。

 そんな時、ダーモスコピーがとても役に立ちます。ダーモスコープを使って病変を見てみると、簡単だと思って付けた診断が違っていることに気が付きます。ダーモスコープを使って観察するだけで新しい視野が拓けてくるのです。皮膚科専門医とともに、内科医や小児科医の先生方で皮膚の診察をする機会のある先生にも、是非、ハンディータイプのダーモスコープを白衣のポケットに入れて診察に活用していただけたらと願っています。

 ダーモスコピーは、主としてメラノーマ(悪性黒色腫)やその他の皮膚癌の診断に効果を発揮する検査法である、と理解されていないでしょうか。しかし、癌のような重篤な疾患以外でも日常診療で色々と役に立つことがあります。皮膚病変ごとのダーモスコピーの専門的な詳しい所見を知らなくても、とりあえずポイントを押さえれば明日の診療に役立つ、また、ダーモスコピーに興味が湧くきっかけになるかもしれない──、そんな症例をこの連載で示していきたいと思っています。どうかよろしくお願いいたします。

この手がすごく痒いんですけど、水虫ですか?

 72歳女性。毎年4~5月ごろになると手が痒くなるという主訴で来院されました。

 両側の手背・手掌に痒みがありますが、なかでも、手掌や掌側の指先が痒いと訴えています。手背では点状の丘疹が散在しますが、掌側では目立った皮膚所見はみられません(写真1、2、3)。

著者プロフィール

佐藤俊次氏(さとう皮膚科[東京都杉並区]院長、皮膚科専門医)●さとう としつぐ氏。1982年防衛医科大学校卒、同年同大皮膚科学教室入局。88年日本皮膚科学会認定皮膚科専門医取得、89年日本医科大学第2病理学教室で医学博士取得。90年東京都杉並区でさとう皮膚科を開業。2010年からオーストリア・グラーツ医科大学の「Basic Dermoscopy Course」(e-ラーニング)を受講開始。14年同コースを終了し、「Basic Dermoscopy Diploma」取得。

連載の紹介

佐藤俊次の「毎日使うダーモスコピー!」
診療報酬が付く前から独学でダーモスコピーを学び、開業医でありながら、自らの研究成果を国内のみならず海外学会でも発表してきた佐藤氏が、毎日の診療で役立つダーモスコピー活用のポイントを解説します。ダーモスコープ最大手の米国3Gen社の社長から直々に貰った1台は佐藤氏思い出の一品です。
この連載を書籍化しました!
『プライマリ・ケア医のための今日から使えるダーモスコピー』好評発売中

 このたび、この連載「佐藤俊次の『毎日使うダーモスコピー!』」を書籍化いたしました。
 2016年6月から開始したこの連載は、患者の主訴を皮切りとして、ダーモスコピー像を見ながら鑑別疾患を考えていく注目コラムです。
 書籍では、16の主訴を中心に、合計700枚を超える写真をふんだんに使いながら、日常診療でよく見られる皮膚疾患のダーモスコピーの見方を解説しています。ダーモスコピー像に加えて、ダーモスコピー像を画像変換して構造や血管走行などを見やすくした画像を併記しているのは、本邦初です。この画像変換は海外学会でも報告され、ダーモスコピーの理解を助ける方法として注目されています。
 さらに書籍には、日常診療でよく遭遇する皮膚疾患をまとめたカラーアトラスを別冊として同梱。患者説明などにご利用いただけます。
 ぜひ、日々の診療にご活用ください。(佐藤俊次著、日経BP社、7500円+税)

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