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第23回 アイコンタクトとポジショニング
患者が安心できる雰囲気づくり

2018/07/16
奥田弘美(精神科医、メディカル&ライフサポートコーチ研究会代表)

胃の痛みが気になり再来院した患者に、医師が対応している。

医師 (カルテに目を落としながら、患者の方は見ずに)○○さん、どうぞ。
患者 お願いします。
医師 (問診票を見ながら、視線を合わせずに)今日は、胃の痛みが引かないということでお越しになったのですね。
患者 あ、はい。痛みが全く引かなくて。
医師 (自分のいすを回し患者を正面から見据えて)胃カメラの結果は悪くありませんでしたし、今の薬で良くならないはずがないんですけどねぇ。
患者 (うつむきながら)でも……。
医師 じゃあ、薬を変更してみましょう。それでいいですか?
患者 はぁ……。
医師 (患者から目をそらし、カルテに書き込みながら)それで良くならなかったらまた来てください。
患者 あ、はい……。(何か言いたそうな表情ながらも退室)

 患者がリラックスできる雰囲気をつくり上げることができなければ、円滑なコミュニケーションは望めず、良好な治療結果を引き出すのも難しくなる。

 前回は、表情と話し方の工夫による患者の緊張の和らげ方を紹介した。今回は、アイコンタクトとポジショニングをテーマに話を進めることにしたい。

アイコンタクトで不安を取り除く

著者プロフィール

おくだ ひろみ●1992年山口大学医学部卒。精神科医(精神保健指定医)、日本で初めて、医療分野へのコーチングを応用。著書に「メディカルサポートコーチング」(中央法規)、「医者になったらすぐ読む本〜医療コミュニケーションの常識とセルフケア」(日本医事新報社)など。メディカル&ライフサポートコーチ研究会主宰。

連載の紹介

患者の心を開くメディカル・サポート・コーチング塾
コーチングとは、人の自主性を引き出すことを主眼としたコミュニケーション法のこと。これを医療者向けにアレンジしたのがメディカル・サポート・コーチングです。月刊誌『日経ヘルスケア』の過去の連載記事を再編集しました。

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