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“自称”ペニシリンアレルギーの落とし穴

2020/09/15
石田 裕也(Choosing Wisely Japan Student Committee、東京医科歯科大学医学部医学科6年)

症例:65歳男性。多剤薬物アレルギーが疑われ、精査目的で皮膚科を受診。

 紹介状によると、10代の頃にペニシリンアレルギーを指摘されたほか、レボフロキサシン水和物(商品名クラビット他)、アスピリンL-カルボシステインロスバスタチンカルシウムなど複数の薬剤に対してアレルギーを起こしてきたという。今回は薬剤アレルギーの精査目的で紹介されてきたので、皮膚テストを行うことにした。

 検査前に詳しく問診すると「小学生の時にペニシリンを使ったら皮膚が赤くなったことがある」とのこと。他の被疑薬については「クラビットを飲んだら便秘になったんです」などなど……。どうやら前医では副作用もアレルギー扱いされていたようだ。皮疹のエピソードもあるが再現性には乏しく、服薬しなくても皮疹が出現することもあるという。結局、皮膚テストや経口負荷試験はすべて陰性、慢性蕁麻疹の診断で退院となった。

連載の紹介

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Choosing Wiselyとは、医療者と患者が対話を通じて科学的な裏付け(エビデンス)があり、患者にとって真に必要でかつ副作用の少ない医療の“賢明な選択”を目指す、国際的なキャンペーン活動です。米国をはじめとする各国のChoosing Wiselyでは、専門学会が、見直すべき医療行為に関する推奨を「5つのリスト」にまとめ、公表しています。本連載では、Choosing Wiselyの推奨を、その根拠とともに解説していきます。

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