症例:65歳男性。多剤薬物アレルギーが疑われ、精査目的で皮膚科を受診。
紹介状によると、10代の頃にペニシリンアレルギーを指摘されたほか、レボフロキサシン水和物(商品名クラビット他)、アスピリン、L-カルボシステイン、ロスバスタチンカルシウムなど複数の薬剤に対してアレルギーを起こしてきたという。今回は薬剤アレルギーの精査目的で紹介されてきたので、皮膚テストを行うことにした。
検査前に詳しく問診すると「小学生の時にペニシリンを使ったら皮膚が赤くなったことがある」とのこと。他の被疑薬については「クラビットを飲んだら便秘になったんです」などなど……。どうやら前医では副作用もアレルギー扱いされていたようだ。皮疹のエピソードもあるが再現性には乏しく、服薬しなくても皮疹が出現することもあるという。結局、皮膚テストや経口負荷試験はすべて陰性、慢性蕁麻疹の診断で退院となった。