症例:67歳男性。肺癌。治療方針の説明を聞くため外来を受診。
患者は1カ月前、右胸水貯留を契機に肺癌が疑われ、紹介されてきた。現在は胸水貯留のため呼吸困難感と時折の胸痛を訴える。全身検索の上、非小細胞肺癌ステージ4と診断し、今後の薬物治療の方針を説明したところ、納得した様子だった。
診察の終わり際に「そう言えば先生、俺もよく分かんなくてちょっと目に入っただけなんだけどさ、緩和ケアって何なんだい?」と聞かれた。ウーン、診断がついたばかりでこれから治療を始めるという今の段階で、緩和ケアについてまで情報提供すべきなんだろうか……?