症例:生来健康な65歳男性。
家族と飲酒後、トイレに行こうとして起立した折に、急に座り込んで5分程度意識を失ったため、家族に付き添われて救急外来を受診した。
舌咬傷はなく、痙攣の目撃はなかった。また発作後昏睡はなく、自然に意識清明になった。発作前に著明な発汗を認めていた。神経学的異常所見や頭部外傷はなかったものの、救急外来で初診を担当した研修医が「先生、とりあえずCTですか?」と頭部CTのオーダーを入れようとしたので、指導医は「おいおい、ちょっとその前に心電図は大丈夫だった? 失神の対応について一緒に勉強しようか」と返した。