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心不全での「強心薬、利尿薬」の使い方
薬物治療は「開く」「引く」「たたく」の3本柱で

2020/04/10
藤本 恒(兵庫県立淡路医療センター循環器内科) 

 未曽有の高齢化社会を迎えた我が国において、心不全患者は爆発的に増加しており、その管理の臨床的重要性は日増しに高まっています。急性心不全の治療においては、何より病態把握を的確に行い、早期に治療介入することが重要です。初期対応は、急性・慢性心不全診療ガイドラインでも示される、図1のフローチャートに準じて行います1)

 心原性ショックや心肺停止に移行する可能性のある血行動態不安定な場合は、血行動態安定を目指して、場合によってはIABP(Intra-aortic balloon pumping )やECMO(extra-corporeal membrane oxygenation)といった機械的サポートが必要になります。また、酸素化が安定しない症例に対しては、ファーラー位を取り、酸素投与を行います。それでも酸素化が不安定な症例には、NPPV(Noninvasive Positive Pressure Ventilation)や気管挿管の上、人工呼吸器による呼吸サポートが必要になります。また、急性冠症候群であれば、できる限り迅速に冠動脈造影及び経皮的冠動脈インターベンションの施行を試みます。

 ここでは「病態に応じた薬物治療」を、特に「強心薬、利尿薬の使い方」に着目して解説します。

著者プロフィール

兵庫県立姫路循環器センター循環器内科の大石醒悟氏と神戸大学医学部附属病院緩和支持治療科の坂下明大氏が立ち上げた循環器×緩和ケア研究会のメンバー。

連載の紹介

心不全治療×緩和ケアの現実
心不全緩和ケアは、日常診療において欠かせないものになっています。治療をしながら提供する緩和ケアの実際を、症例検討という形で振り返り、そのノウハウを共有していきます。

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