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コミュニケーション力を高めるために(1)
お互いの認知スタイルが分かれば、チーム医療はやりやすい

2012/03/28

 この講座では、毎日の仕事の満足度を上げるスキルを提案しています。第1~3回は、キャリア形成のサポートを目的とした手法「メンタリング(メンターシップ力)」を紹介しました。メンタリングとは、経験豊富な人物(メンター)が若手・中堅スタッフ(メンティ)に対し、専門知識やスキルだけでなく、人生における色々な場面での考え方について助言を与えることです。

 今回はチーム医療で重要な「コミュニケーション力」について考えてみましょう。

人の考え方や心の働きには異なるパターンがある
 この数年、メディカルスタッフにとって「コミュニケーション力は身に付けておくべき必須事項」と強く認識されるようになりました。コミュニケーションの最大の目的は「相手に自分の考えや気持ちを伝える」「相手のことを理解する」ですが、そのためには「お互いが向き合う」が大切です。つまり、自分のことも相手のことも、よく知る必要があります。

 こんなとき、米国では「マイヤーズ-ブリッグス・タイプ・インディケーターMBTI:Myers-Briggs Type Indicator)」をよく使います。MBTIとは、自分のコミュニケーションスタイルを知るためのツールであり、メソッドです。「同じテーマや出来事に対する物の見方、判断する方法や考え方、行動するときの心の働きは、人それぞれパターン別に異なる」ということを教えてくれます。

 MBTIの手法は、スイスの精神科医で心理学者のユングが確立した「心理学的タイプ論」を基に、米国のキャサリン・クック・ブリッグスとイザベル・ブリッグス・マイヤーズの母娘が研究開発しました。既に50年以上の歴史と実績があります。

頭脳や心にも“利き手”がある
 ユングは研究の対象者を観察していく中で、人間には「心のエネルギーの方向」が2種類、「心の働き」が4種類あることに気づきます。
●心のエネルギーの方向
「内向」と「外向」(どこからエネルギーを得て、動機づけられるか)
●心の働き
「感覚機能」と「直観機能」(どのように情報を取り入れるか)
「思考機能」と「感情機能」(どのように情報を整理し、結論を導くか)

 ユングは心のエネルギーの方向や働きについて、「人にはそれぞれ生まれつき、自然と志向しやすい方法やスタイルがある。これらが性格を形成する」と考えました。これが「タイプ論」です。つまり、頭脳や心にも“利き手”があり、性格に影響を与えるということです。ブリッグス母娘は、このユングの理論を日常レベルで用いるための新たな指標(インディケーター)を加えました。それが、「知覚的態度」と「判断的態度」(日常の過ごし方・ライフスタイル)です。

 図1は、上述したコミュニケーションスタイルの各指標をまとめたものです。これらの組み合わせによって、人間には16種類の認知スタイルがあるとブリッグス母娘は理論づけ、MBTIの手法を確立。この検査を受けることで、自分がどのスタイルなのかを知ることができるとしました。

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