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理想のキャリアを実現できる
自分のビジョンとミッションを考えてみよう!

2011/08/22

 日々の業務を「仕事」として捉えているだけでは、職場におけるストレスは疲弊感につながるばかり。そこで前回は、メディカルスタッフが働く意欲を維持できるように、「人生のキャリア形成」について考えることを提案し、「メンタリング(メンターシップ力)」を紹介しました。

 メンタリングとは、経験豊富な人物(メンター)が若手・中堅スタッフ(メンティ)に対し、専門知識やスキルだけでなく、人生における色々な場面での考え方について助言を与えながら、キャリア形成をサポートする手法です。相互の信頼関係に基づいて指導が行われる点が大きな特徴です。

 今回はメンタリングの基盤となる、個々のキャリアにおける「ビジョン」と「ミッション」の作成について解説します。

ビジョンとミッションを作成するための三つのステップ
 日本企業では2000年に入ったばかりのころ、各社のビジョンとミッションを議論することがはやりました。インターネットで検索してみると、色々な企業が思い思いのビジョンとミッションを打ち出しています。ビジョンとミッションは、組織を構成している個人にとっても同じように大切です。

 メディカルスタッフにとって、ビジョンとは「社会や医療のあるべき理想的な将来像」、ミッションとは「自分の任務、成し遂げたいこと」であり、いずれも「目指す方向」です。個々のスタッフが進むべき道を明確にイメージできれば、常にどこに向かって歩いていけばよいかを判断できるようになり、日々の閉塞感を打破することにもつながります。

 これらのビジョンとミッションは、どのように立てればいいのでしょうか?

 そこで今回は、MDアンダーソンがんセンターでチーム医療を学ぶプログラム(「Japanese Medical Exchange (JME) Program」)に参加した医師、看護師、薬剤師の方々の事例を紹介しましょう。JMEは、「がん医療におけるリーダーを育成する」目的で、2001年から聖ルカサイエンス研究所とMDアンダーソンがんセンターが共同で実施している留学プロジェクトです。参加者の6人は、2011年4月から5週間の米国滞在期間中、同センターに勤務する医療スタッフ(メンター)から指導を受け、毎日毎晩、ビジョンとミッションについて考えました。

 ビジョンとミッションの作成手順を、ステップ1から3までの三つの段階に分けて説明します。

<ステップ1:ビジョンとミッションの下書きをする>
 まず、ビジョンとミッションの下書きの準備をするため、自分のこれまでの仕事内容を紙に書き出してみましょう。さらに、その中で社会に貢献していると思えること、今後やりたいことを整理しましょう。

 JMEに参加した東京医科大学病院看護部(皮膚・排泄ケア認定看護師)の帶刀(たいとう)朋代さんは、表1のように書き出しました。このとき、「病棟」というミクロの社会から、「世間」というマクロの社会まで、幅広い視点で考えました。

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