あなたは、毎日の業務を「仕事」と考えていますか?それとも「人生のキャリア」としてとらえていますか?
日本の医療の質の高さが、メディカルスタッフ(病院で働く医師を含む医療専門職)の献身的な尽力によって支えられていることはよく知られています。その結果、燃え尽きてしまう人は少なくありません。そこで心身ともに疲弊せず働く意欲を維持できるよう、今回から「メディカルスタッフのキャリア形成」について解説していきます。
個々のメディカルスタッフの専門性やスキル、モチベーションが高まれば、チーム医療の成功にもつながります。これまで私たちはともにチーム医療に関する提言を繰り返してきましたが、「チームで成功するためには、個々のキャリア形成が重要な鍵になる」という点を本連載で強調したいと考えています。
業務を「仕事」と感じるとストレスに
臨床業務や研究に忙殺される中、メディカルスタッフが自分自身について振り返ることは、なかなか容易ではありません。残業や当直、土日勤務をこなしているうちに、時間は数年単位で過ぎ去っていきます。特に、「自分の職業に対してビジョンを打ち立て、時々、見直したり修正したりしていく」ことなどは、かなり強く意識しなければできないものです。とはいえ、日々の業務を「仕事」としてとらえているだけでは、職場におけるストレスは疲弊感につながるばかりです。
こんなとき、「メンタリング(mentoring)」という方法があることを、ご存知でしょうか。メンタリングとは、同じ職種の経験豊富な人物が若手スタッフに対し、その専門知識やスキルだけでなく、「人生における色々な場面での考え方」についても助言を与えながら、キャリア形成をサポートする手法です(図1)。相互の信頼関係に基づいて指導が行われる点が大きな特徴といえます。
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