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第6回日本がんサポーティブケア学会学術集会より
複雑な疾患「がん悪液質」との戦い方
新薬アナモレリンと栄養・運動を組み合わせて健康寿命の延長を目指す

2021/08/12
中西美荷=医学ライター
複雑な疾患「がん悪液質」との戦い方の画像

 がん患者の約8割は食事が摂れずにやせていく「悪液質」(あくえきしつ)を経験し、生存期間の短縮につながっている。悪液質は古くから肺結核や心臓病などの慢性疾患に合併することが知られ、さまざまな治療法が試みられてきたが、複数の原因が発症に関わり診断も治療も難しいため、これまで確立された治療法はなかった。しかし今年1月、経口グレリン様作用薬アナモレリン(商品名:エドルミズ)が、「がん悪液質」の治療薬として世界に先駆けて日本で承認された。

 2021年5月29日から6月30日までWEB形式で開催された第6回日本がんサポーティブケア学会の教育講演「がん悪液質治療の過去、現在と未来」では、静岡県立静岡がんセンター呼吸器内科の内藤立暁氏が、がん悪液質に対する新旧の臨床研究をまとめるとともに今後の治療の方向性を展望した。


 慢性疾患によって痩せるという現象は、洋の東西を問わず古くから知られていた。たとえば古代ギリシャのヒポクラテス(460BC-370BC)は、心臓病で痩せ衰えていく患者の姿を「まるで筋肉が水になって溶けていくようだ」と表現し、これを死の兆候「カケキシア」(cachexia、悪液質)と記した(Br Heart J 24 257-264

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