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町田浩道の「南極オングル中央病院だより」
南極で働く越冬医師のミッション

2014/12/03
町田浩道

 「全ての越冬隊員が健康で文化的な生活を維持し、翌年3月に健康体で日本に戻る手助けをすること」――。これが越冬医師の正業です。万が一、事故で外傷を負っても、心身の病気になっても、齲歯が痛んでも智歯がうずいても、しかるべく治療することが求められます。鉄筋の結束や生コン、運送業、土木作業員として働くのは仮の姿であり、いわば生業(なりわい)。正業ではなかったのです。

 しかし、正業を全うするため、隊員の健康状態、作業環境、作業の負担度、隊員同士の何気ない日常会話から読み取れる精神状態等々を把握するには、現場に行くのが最善です。「事故は現場で起きている」――。医務室で待つのではなく、積極的に現場に出て事故を未然に防ぐ。南極医療は現場主義、そのための各種アルバイト(生業)だったのです。

著者プロフィール

町田浩道(第55次日本南極地域観測隊越冬隊医療)●まちだ ひろみち氏。1980年東京医大卒業後、東京女子医大第2外科に入局。88年聖隷浜松病院外科。2013年7月に休職し、国立極地研究所南極観測センター第55次日本南極地域観測隊に。2013年12月から昭和基地に滞在中。

連載の紹介

町田浩道の「南極オングル中央病院だより」
南極昭和基地という極限下の医療事情を、越冬生活のエピソードを交えて紹介します。オーロラやペンギン、ブリザードなど南極の魅力についても伝えたいと思います。連載を通して、南極への関心が高まれば幸いです(越冬医療に興味を持ってもらえれば最高)。

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