日経メディカルのロゴ画像

出血・虚血・炎症有りでは血管炎も念頭に
初期の拾い挙げが患者の予後改善に貢献

2018/02/09
有村 義宏(吉祥寺あさひ病院院長)

 血管炎は、大動脈から毛細血管まで全身を巡る血管に炎症を来す全身性疾患で、症状は多彩であり原因が不明であることが少なくない。近年、抗好中球細胞質抗体ANCA)による血管炎の病態が明らかになってきた。診療科をまたぐ疾患であり診断が困難な場合もあるが、ANCA関連血管炎について知り、適切な検査によって拾い上げることが重要だ。


 血管炎の概念は、1866年KussmaulとMaierによる結節性動脈周囲炎の報告から始まりました。かつて「血管炎の分類は、研究者の数ほどある」といわれるほど個々の研究者の見解が分かれていましたが、1994年に障害される主な血管の太さから血管炎を分類するChapel Hill Consensus Conferenceチャペルヒル分類、CHCC)が登場し、普及しています。

 2012年にチャペルヒル分類は改訂(CHCC2012分類)され、合計7つのカテゴリー、26疾患に整理されています(表1)。これが現在、世界で最も採用されている分類です。この中で、比較的新しい疾患概念がANCA関連血管炎です。ANCA関連血管炎には、顕微鏡的多発血管炎(MPA)、多発血管炎性肉芽腫症(GPA、旧Wegener肉芽腫症)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA 、旧Churg-Strauss症候群)の3疾患があります。

著者プロフィール

有村 義宏(吉祥寺あさひ病院[東京都武蔵野市]院長)●ありむら よしひろ氏。1978年杏林大学卒。同大第一内科助手、医局長、講師、助教授を経て、2008年に同大第一内科学教室・腎臓・リウマチ膠原病内科 教授に就任。2017年退任、現職となる。2014~17年厚生労働省難治性血管炎に関する調査研究班の研究代表者。

連載の紹介

ANCA関連血管炎を知る
難治性血管炎であるANCA関連血管炎は、かつては透析導入率、死亡率がともに高い疾患でしたが、新規治療薬も開発され治療成績は改善しています。しかし、いまだに診断が遅れたり、治療に難渋する症例も 多いです。症状が多岐にわたるため、内科、皮膚科、耳鼻咽喉科などプライマリ・ケアでの適切な拾い上げが求められています。2017 年に全面改訂された診療ガイドラインを基に、ANCA関連血管炎の診療の基礎を厚労省研究班の班長を務めた有村義宏氏が解説します。

この記事を読んでいる人におすすめ