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かぜとはどんな病気ですか?

2018/05/16
藤友 結実子(国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター)

 今回のテーマは、「かぜとはどんな病気ですか?」です。これまでの連載でもかぜとはどんな病気かについて触れてきましたが重要な点ですので、繰り返しの説明になることをご容赦ください。ここでも「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」1) (以下、手引き)に基づいて解説していきます。

 一般的にかぜというとき、狭義の「急性上気道感染症」から「上気道から下気道の感染症」まで様々な意味が含まれます。かぜ症候群・感冒などの言葉が用いられることもあります。一方、患者さんは、急性(時には亜急性)の発熱や倦怠感、種々の体調不良をかぜと認識していることがよくあり 2~3) 、話はさらにややこしくなります。

 例えば、かぜといって受診した患者さんを診察してみると鼻水も咽頭痛もなく腹痛と下痢だったというのはよくある話で、頭痛でかぜだと思って受診した患者がクモ膜下出血を生じていた、なんだか調子が悪くてかぜと思って受診したら実は心筋梗塞だった、ということもまれにあります。患者さんがいうかぜの中でも、漠然とした体調不良は分けて考える必要があり、呼吸器症状が全くないときには他の疾患の可能性があるため注意が必要です。

 さて、「手引き」では患者さんの言う「かぜ」に含まれる病態を図1のように整理しました。

図1 急性気道感染症の概念と区分(出典:「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」)

著者プロフィール

国立国際医療研究センターAMR臨床リファレンスセンター●薬剤耐性(AMR)アクションプランの臨床現場での実践を目的に、厚生労働省委託事業として2017年4月に設立された。本連載の全体監修は同センター長の大曲貴夫氏が務める。

連載の紹介

かぜ診療での“困った”に答えます
厚生労働省が急性気道感染症などを対象とした「抗微生物薬適正使用の手引き」を発表したこともあり、抗菌薬適正使用への関心が高まっています。日常診療で遭遇するかぜ症状をどう見極めて診療を進めて いくのか、国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターのメンバーが解説します。

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