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医師3826人に聞いた「認知症の告知の在り方は?」
自分の認知症「どんな状況でも告知を」は6割

 認知症の告知についてのディベートセッションが、2019年11月7~9日に東京都内で開催された第38回日本認知症学会学術集会で開催された。「認知症は告知すべき?すべきではない?」と題した同セッションで「告知すべき」の立場で登壇した新潟大学脳研究所生命科学リソース研究センター遺伝子機能解析学分野准教授の春日健作氏は、「癌患者への告知率は、1990年では14%だったが現在は95%程度となっており、認知症の告知に関しても癌の告知同様、患者の知る権利に応える段階に来ている」と述べた。

 ただし、本人に告知している医師は、専門医で5割弱、かかりつけ医では3割強との調査結果があることも提示した。加えて春日氏は、将来設計のためにも患者には知る権利があると延べ、告知による精神的なダメージは大きくないという研究結果があることも発表した。

 一方、「告知すべきではない」の立場で登壇した東京医科大学高齢総合医学講座准教授の清水聰一郞氏は、認知症の診断精度の課題や、患者の「知らない権利」への配慮なども必要と述べた。清水氏自身、物忘れで受診し、アルツハイマー病疑いだったものの、最終的に高齢者タウオパチー(脳内のタウ蛋白の沈着がアミロイドβ蛋白より優位になる疾患群)だった患者を経験しているとした上で、「経過を追うことで診断が付く患者が存在する」と強調し、初診の画像診断のみで診断し告知することの危険性を指摘した。さらに、病名を告げるだけでなく、診断結果をその後の全人的ケアにつなげることが認知症診療では大切とも強調した。

 同セッションでは、会場参加者に対して症例を提示した上で、告知するか否かを問う場面もあった。会場参加者の多くは、告知派であったが、少数ながら「告知しない」と回答した参加者も存在していた。

 では、日経メディカル Onlineの医師会員は、認知症の告知についてどのように考えているのだろうか。

 「認知症の告知」に関するアンケートを2019年11月11日~17日に実施したところ、「本人と家族に告知する」との回答が最も多く49.6%を占め、次に「家族にまず告知し、本人への告知は家族と相談して決める」が34.1%だった(図1)。一方、「告知しない」との回答は1.2%のみだった。

図1 認知症と診断した患者への告知はどうあるべきか
アンケートに回答した3826人のうち「認知症患者を診療していない」医師を除いた3068人で解析。

連載の紹介

医師1000人に聞きました
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