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医師1170人に聞く「2015年の医療界注目ニュースと新チャレンジ」
今年の注目は専門医制度の動向

 年明けから大きなニュースが続き、波乱の幕開けとなっている2015年だが、日本の医療界ではどんなニュースが注目されるだろうか。松の内の1月2~5日にもらった、医師1170人の声を紹介する。

 まず多くの医師が注目、というよりも懸念するのが新専門医制度の動向だった。2017年の新制度スタートに向け、2015年は制度の詳細や各学会の体制が明らかになっていくはず。それに伴って「新専門医制度に基づくレジデント教育の開始」(麻酔科、30代)が見込まれ、「後期研修後の大学医局への所属傾向が強くなる」(整形外科、30代)という予測が寄せられた。

 さらには、「新専門医制度によって医師がますます特定の高度医療機関に集中し、地域医療が疲弊する」(総合診療科、50代)という懸念も。「新専門医制度の創設に伴う現場医師の負担増加に対する対策の構築」(循環器内科、40代)も求められる。「専門医制度が紛糾し、内科系が分裂」(消化器外科、30代)という物騒な予測は当たらないことを願いたいものだ。

 「持っていないと馬鹿にされるから取得したので、オペができなくても臨床医として働ける間は資格維持できる改革にしてもらいたい」(泌尿器科、40代)という声は極端としても、既に取得している専門医資格がどうなるかも切実な関心事であるようだ。

医学部新設の動向にも懸念
 昨年の大きな話題だった東北の医学部新設についても、引き続いて関心は高いようだ。「東北薬科大学が新設する医学部の影響について、大いに関心を持っています。長期的に見れば、大学が仙台に2つあった方が東北大学のためにも良いと考えますが、短期的には医師不足に拍車がかかります。東北の医療には影響ないようにするという建前ですが、そうはいかないでしょう。医師確保がさらに困難になると危惧しています」(一般外科、50代)。やはり、懸念が先行している様子がうかがえる。

 他にも今年の展開が予想される医療事故調査委員会の創設、精神医療についても「入院期間の短縮が(さらに)どのくらい進むか…」(精神科、50代)を注目する声が寄せられた。「介護報酬の減額とサービス低下に注目しています」(循環器内科、50代)と、医療界にも影響は必至の介護報酬改定への関心も目立った。

インターフェロンフリーは実現するか
 臨床分野で今年の注目ポイントして多く挙がったのが、C型肝炎のインターフェロンフリー療法が確立されるか。さらにSGLT2阻害薬の使用経験やエビデンスの蓄積を受けて、糖尿病治療薬選択のアルゴリズムがどのように変化するかという点も多くの医師が関心事として挙げた。心房細動に対する新規抗凝固薬(NOAC)の差異や使い分けに対する知見にも興味が集まっているようだ。

 他には、「スギ花粉舌下液(シダトレン)の副作用状況に注目、安全性が高ければ、導入を検討」(耳鼻咽喉科、40代)、「多発性骨髄腫に対しての新薬が保険適用となる見込みなので、治療の選択肢が広がる」(一般内科、40代)といった声があった。

 デジタル技術によって医療の革新が進むことにも期待がかかる。「3Dプリンターが安くなり、大学病院での導入が増えて、術前のプランニングが大きく変わると思う」(脳神経外科、40代)。「ウエアラブルデバイスの普及とともに、診療の一部がオンライン化され、オンラインでの診療もある程度行われるようになると思います」(一般内科、40代)。

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