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医師2113人に聞く「臓器提供の意思表示をしているか」
臓器提供の意思表示、7割の医師は「していない」
家族への負担から躊躇、1割は「提供の意思はない」と明記

 2012年7月以降、新たに発行される運転免許証の裏に、臓器提供に関する意思表示欄が加わっている。また、健康保険証の裏面にも同様の意思表示欄が設けられている。臓器提供の意思表示が、昨今、身近になってきているようだが、臓器提供に関して医師自身はどう考えているのだろうか。

 日経メディカル Onlineの読者を対象に、「臓器提供に関する意思表示に関する調査」を行った結果、7割(1491人)の医師は「意思表示はしていない」と回答した(図1)。「意思表示をしていない」理由としては、家族への配慮から意思表示を躊躇するというものが多かった。移植医療を一般市民よりも身近に見ている医師は、臓器提供をした場合に家族に掛かる負担もよく知っており、それが意思表示を躊躇させているようだった。また、「移植医療そのものに対する自身の考えがまとまらない」「再生医療に期待する」などの声もあった。

 脳死心臓死後に臓器を提供する意思を臓器提供意思表示カードなどの書面に記載していると回答したのは18%(375人)、心臓死後に限って臓器を提供する意思を書面に記載していたのは3%(60人)だった。脳死・心臓死後の臓器提供に同意している理由としては、自分が死んだ後もだれかの役に立ちたいという意見が多かった。一方、心臓死後に限り提供する意思を表示していると回答した医師の中では、脳死の定義への疑問の声などが見られた。

 一方、約1割の医師は、臓器移植そのものに否定的な見解を示した。「臓器提供する意思はない」と書面に記載していると回答したのは9%(187人)だった。脳死判定基準や死の定義に違和感を持つなど、「移植医療の現状に賛同できない」という意見が目立った。自身の死生観や宗教観から提供したくないと考える医師も多かった。さらに「『しない』ことをきちんと意思表示することが大切」という意見もあった。

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