
多発性骨髄腫の薬物療法には、免疫調整薬(IMiDs)やプロテアソーム阻害薬(PI)がキードラッグとして使われている。IMiDsは標的タンパク質であるセレブロンと結合することで抗腫瘍効果を発揮するが、同様にセレブロンを標的とした新しいタイプの治療薬であるCelMODs(cereblon E3 ligase modulator)の開発が進んでいる。またIMiDsを応用したPROTAC(Proteolysis Targeting Chimera:タンパク質分解誘導キメラ分子)が注目されている。
米Dana-Farber Cancer Instituteの秀島 輝氏が、5月29日からハイブリッド開催された第46回日本骨髄腫学会学術集会の特別講演「多発性骨髄腫における免疫調節薬:我々はどこまで識りえたか?」において、IMiDsの作用機序、IMiDs抵抗性のメカニズム、新しいタイプの治療薬、そして今後の方向性を解説した。