
非小細胞肺癌(NSCLC)の周術期治療では、病期や背景が多様な患者に対して、術前か術後か、放射線治療を併用すべきかなど、さまざまな組み合わせの中から、個々の患者に最適の治療を選択していかねばならない。分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の有用性も示されつつあり、周術期治療は今後、さらに複雑化する様相をみせている。
4月にハイブリット形式で開催された第61回日本呼吸器学会のシンポジウム「非小細胞肺癌に対する周術期薬物療法の展望」では、NSCLCに対する周術期治療のエビデンスを整理するとともに、開発中の治療法やバイオマーカーの現状、臨床試験を実施する上での問題点など、多岐にわたる議論がなされた。その概要を紹介する。座長は千葉大学臨床腫瘍学の滝口裕一氏と京都府立医科大学呼吸器内科学講座の高山浩一氏。