
HER2陽性進行乳癌に対する1次治療、2次治療は標準治療がほぼ確立し、3次治療以降についても抗体薬物複合体(ADC)のトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)が使用可能となった。しかし日常診療では、標準治療では効果が得られず治療に難渋するケースは少なくない。
第28回日本乳癌学会学術総会パネルディスカッション「徹底討論HER2陽性再発乳癌」では、耐性機序と薬剤選択をテーマに、エストロゲン受容体(ER)陽性のHER2陽性乳癌、ER陰性のHER2陽性乳癌、脳転移を有するHER2陽性乳癌について症例が紹介され、治療法の選択が議論された。座長は兵庫医科大学乳腺・内分泌外科の三好康雄氏と神奈川県立がんセンター乳腺内分泌外科の山下年成氏。