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学会リポート◎日本胃癌学会2020
胃癌の個別化治療を難しくするヘテロジェナイティの克服
腫瘍内不均一性だけでなく免疫を含めた微小環境の不均一性を評価できる方法が必要

2020/07/29
八倉巻尚子=医学ライター

 胃癌における個別化治療は、HER2陽性胃癌に対する抗HER2ヒト化モノクローナル抗体トラスツズマブによって始まった。その後、HER2を標的とした分子標的薬の臨床試験がいくつも行われたが、承認に至った薬はない。胃癌に特徴的な腫瘍内の不均一性(ヘテロジェナイティ)が開発を困難にしているといわれる。一方で、抗体薬物複合体(ADC)であるトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd、DS-8201a)は胃癌に対しても高い効果を示すことが明らかになった。

 7月1日からウエブ開催された第92回日本胃癌学会総会のシンポジウム「胃癌における個別化治療をどう進めるのか?~過去のHER2抗体治療の経験より~」では、病理医の立場から国立がん研究センター東病院病理・臨床検査科の桑田健氏、臨床医の立場から国立がん研究センター東病院先端医療科の土井俊彦氏が講演した。総合討論(司会:国立がん研究センター先端医療開発センターの落合淳志氏)には特別発言として静岡県立静岡がんセンター胃外科の寺島雅典氏も加わり、HER2陽性胃癌の薬剤開発の問題点と今後の展望について議論が交わされた。

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