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学会リポート◎日本胃癌学会2020
エビデンスでみる胃癌の周術期化学療法の進展と課題
最適な対象、レジメン、投与のタイミングなどの検討進む

2020/07/28
森下紀代美=医学ライター

 胃癌に対する周術期化学療法として、日本では術後の経口フッ化ピリミジンを中心とする単剤または2剤併用療法が標準とされている。一方、欧州では、術前に強いレジメンを用いるスタンスで、周術期に4剤を併用するFLOT療法(5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン+ドセタキセル)が標準となっている。

 日本では、切除を先行し、術後補助療法を行うことが標準的とされてきた。しかし、化学療法の進歩に伴い、NACの効果が大きく改善している。2019年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)では、局所進行胃癌に対し、NACとしてDOS療法(ドセタキセル+オキサリプラチン+S-1)を評価した韓国のPRODIGY試験、周術期化学療法としてSOX療法(S-1+オキサリプラチン)を評価した中国のRESOLVE試験から、有効性を示す結果が報告された。術後補助化学療法ではコンプライアンスや用量強度の問題が生じやすいこともあり、NACおよび周術期化学療法への期待が高まってきている。

 周術期化学療法の成績の向上を目指し、最適な対象、レジメン、投与のタイミングなど、さまざまな検討が行われている。7月1日からウエブで開催された第92回日本胃癌学会総会のシンポジウム「胃癌に対する周術期治療の最前線」では、これまでに得られたエビデンス、現在進行中の臨床試験、今後の展望について、エキスパートが解説した。

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