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エリアレビュー◎ASCO2020・大腸癌
大腸癌肝転移治癒切除後の術後補助化学療法にmFOLFOX6が加わる可能性
MSI-H/dMMRの進行大腸癌1次治療ではペムブロリズマブがPFSを延長

2020/07/01
東京医科歯科大学大学院総合外科学分野教授・附属病院消化器化学療法外科科長 植竹 宏之 氏

 5月29日から31日までバーチャル形式で開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2020)では、今後の大腸癌診療を変えうる複数の発表があった。

 その1つが、日本で行われた第II/III相のランダム化比較試験JCOG0603である。大腸癌肝転移治癒切除後の術後補助化学療法としてmFOLFOX6を手術単独と比較、主要評価項目である無病生存期間(DFS)はmFOLFOX6で有意に延長した。ただし、全生存期間(OS)では差が示されず、実臨床に向けての解釈は難しいものとなったが、mFOLFOX6が術後補助化学療法の選択肢に加わる可能性はあるとみられる。

 また第III相のKEYNOTE-177試験では、MSI-HまたはdMMRの進行大腸癌の1次治療として、ペムブロリズマブ単剤が化学療法と比べて有意に無増悪生存期間(PFS)を延長することが示された。ただし、ペムブロリズマブ単剤では約30%の患者で増悪(PD)が認められ、1次治療での使用は慎重に判断する必要があることも示唆された。

 分子標的治療では、標準治療に抵抗性のHER2高発現の進行大腸癌に対し、抗体薬物複合体(ADC)トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)を評価した第II相のDESTINY-CRC01試験、治療歴があるBRAF V600E遺伝子変異陽性の進行大腸癌に対し、BRAF阻害薬を含む3剤併用療法を評価した第III相のBEACON CRC試験の結果が注目された。これらの試験には日本からも参加している。

 これら試験結果の解釈と臨床に与える影響について、東京医科歯科大学の植竹宏之氏に聞いた。
(まとめ:日経メディカルOncology編集部)


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