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エリアレビュー◎ASCO GI2020・大腸癌
治癒切除不能な進行大腸癌で原発巣切除先行の意義はなし
血管新生阻害薬の使い分けに向けバイオマーカーを日本で検討

2020/02/21
国立がん研究センター東病院消化管内科医長 谷口 浩也 氏

 Gastrointestinal Cancer Symposium(ASCO GI 2020)では、大腸癌診療に大きなインパクトをもたらすと考えられる複数の発表があった。

 特に注目された発表の1つが、日本で行われた第3相のランダム化比較試験、JCOG1007(iPACS)試験の結果である。治癒切除不能なIV期の大腸癌で腸閉塞症状を認めない患者では、原発巣切除+術後化学療法は、化学療法単独と比較して全生存期間(OS)を改善しないことが明らかになり、「原発巣切除の先行により予後は改善するのか」という実地臨床の疑問に解答を示した。

 また、BRAF V600E変異陽性の進行大腸癌患者を対象に、BRAF阻害薬を含む3剤併用療法と2剤併用療法を評価した第3相のBEACON CRC試験では、急遽発表されたOSの最新解析から、3剤併用療法と2剤併用療法でOSに差がなかったことが明らかになった。

 日本の多施設共同研究GI-SCREEN CRC-Ukit研究からは、日本で開発が進められている血管新生因子のマルチプレックス解析のためのキット、CRC-Ukitを用いた解析結果が初めて発表された。切除不能進行大腸癌患者では、血管内皮増殖因子(VEGF)-Dと胎盤増殖因子(PlGF)に相関はみられず、血管新生因子阻害薬の選択につながる可能性が示された。

 これらの試験の結果の解釈や実地臨床に与える影響などについて、GI-SCREEN CRC-Ukit研究を発表した国立がん研究センター東病院消化管内科医長の谷口浩也氏に聞いた。
(まとめ:日経メディカルOncology編集部)

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