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エリアレビュー◎ASCO GI2018・肝癌・胆道癌
GS療法が胆道癌の1次治療の選択肢に
肝細胞癌にソラフェニブとTACEの併用が有効な可能性も

2018/02/26
コメント:杏林大学医学部腫瘍内科学教室教授 古瀬 純司 氏

 消化器癌の重要な国際学会の1つであるGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2018)が、1月18日から20日まで米サンフランシスコで開催された。数多くの重要な発表がなされ、日本からの参加者も多かった。

 肝胆膵領域では、胆道癌と肝細胞癌に重要な発表があった。1つはゲムシタビンとS-1の併用療法(GS療法)の胆道癌1次治療としての有効性を評価した日本のJCOG1113試験。もう1つは肝細胞癌で肝動脈化学塞栓療法(TACE)とソラフェニブの併用が、TACEのみよりも有効である可能性を示した同じく日本のTACTICS試験である。

 この2つの試験の結果、意義などについて、杏林大学医学部腫瘍内科学教室教授の古瀬純司氏に聞いた。
(まとめ:日経メディカルOncology編集部)

GS療法の有効性をきちんと評価
 進行胆道癌に使用できる薬は限られている。2006年に承認されたゲムシタビン、2007年に承認されたS-1の2剤とゲムシタビンとの併用で使用するシスプラチンしかない。英国のグループによる第III相のABC-02試験から、ゲムシタビンとシスプラチンの併用療法(GC療法)がゲムシタビン単剤よりも全生存期間(OS)を有意に延長することが示され、現在、進行胆道癌に対する世界的な標準治療はGC療法となっている。

 「切除不能進行胆道癌に対してGC療法が広く用いられていますが、倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、口内炎などの副作用があることと、ハイドレーションが必要であることが課題とされています。私たちにはS-1をうまく使いたいという思いが承認当初からありました。S-1は単剤でも一定の効果が得られますし、ゲムシタビンとS-1の併用療法(GS療法)による有望なデータも発表されていました。膵癌では、GS療法はゲムシタビン、S-1の単剤との比較試験で主要評価項目を達成できませんでした。胆道癌ではまず、S-1単剤とGS療法のどちらがより優れるかをみるため、ランダム化第II相試験(JCOG0805)を行いました。その結果、JCOG0805試験では、GS療法はS-1単剤と比較して優れた1年OS率を示し、毒性も許容範囲と考えられる結果でした。

 そこで、GS療法のGC療法に対する有用性について、まず非劣性を確認しそれが証明されたら優越性も評価しようということで開始したのが、第III相のJCOG1113試験です。

 その結果を今回のGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2018)で発表しました。 GS療法は、主要評価項目のOSでGC療法に非劣性を示し、忍容性も良好でした。その他の有効性や毒性も含めて総合的に考えると、どちらのレジメンを優先して使うかではなく、患者さんの状況に応じて選べる選択肢が増えたと理解していただければと思います」

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