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エリアレビュー◎ASCO GI2018・大腸癌
進行大腸癌の後方ライン治療で見えてきた新たな戦略
レゴラフェニブと抗EGFR抗体の投与順でOSに差

2018/02/23
国立がん研究センター東病院 消化管内科長 吉野 孝之 氏

 消化器癌の重要な国際学会の1つであるGastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI2018)が、1月18日から20日まで米サンフランシスコで開催された。数多くの重要な発表がなされ、日本からの参加者も多かった。

 大腸癌領域においても、日本で行われた無作為化フェーズ2試験REVERCEの結果をはじめ、注目演題が相次いだ。ASCO GIの大腸癌領域の注目発表について、その結果の意義、解釈、今後の展望などについて、国立がん研究センター東病院消化管内科科長の吉野孝之氏に解説してもらった。
(まとめ:日経メディカルOncology編集部)

レゴラフェニブと抗EGFR抗体の投与の順序でOSに差
 日本で行われた第II相のREVERCE試験は、KRAS遺伝子野生型の進行大腸癌に対するレゴラフェニブについて、少し早いラインでの可能性をみようと始めた試験です。大腸癌に対するシークエンシャルな治療において、レゴラフェニブと抗EGFR抗体の投与の順序を入れ替えて比較しています。当初、私たち研究グループは、どちらを先に投与しても全生存期間(OS)は同様となるだろうと想定していました。

 しかし、結果は、レゴラフェニブを抗EGFR抗体の前に投与することにより、OSが5.8カ月延長するという驚くものになりました。施設間差を考慮した解析も行いましたが、結果は変わりませんでした。投与の順序でOSに大きな差が出ることを初めて示したこの試験は、2018 Gastrointestinal Cancers Symposium(ASCO GI 2018)でも大きく注目していただきました。ただし、明確な結論を得るためには第III相試験で検証する必要があります。

 REVERCE試験の対象は、KRAS遺伝子のエクソン2が野生型の進行大腸癌で、フルオロピリミジン、オキサリプラチン、イリノテカンによる治療が無効となり、抗EGFR抗体は未投与である患者です。2015年3月からはマイナーなRAS遺伝子変異がある患者を除外しています(Kohei Shitara, et al. ASCO GI 2018 Abstract No.557)。

 レゴラフェニブ、セツキシマブ±イリノテカンの順で投与する群(R-C群)、セツキシマブ±イリノテカン、レゴラフェニブの順で投与する群(C-R群)に、患者を1対1でランダムに割り付けました(図1)。主要評価項目はOS、副次的評価項目は最初の治療による無増悪生存期間(PFS1)、2番目の治療によるPFS(PFS2)、治療成功期間(TTF)、奏効率、病勢コントロール率(DCR)、安全性、QOLです。探索的な評価項目として、循環腫瘍DNA(ctDNA)の変異や複数の血清蛋白質など、連続的なバイオマーカー解析も行いました。

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