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エリアレビュー◎SABCS2017・HER2陽性乳癌
HER2陽性進行乳癌への毒性を軽減したエリブリンによる3剤併用療法
術後補助療法のトラスツズマブは1年間投与が確定、HER2診断の正確さが重要

2018/02/21
愛知県がんセンター中央病院乳腺科部部長・副院長 岩田 広治 氏

 HER2陽性早期乳癌に対する術後補助療法は、アントラサイクリン系製剤とタキサン系製剤による化学療法とトラスツズマブの1年投与が標準です。トラスツズマブの投与期間については議論がありましたが、9週間投与を検討したSOLD試験で1年投与に対する非劣性は証明できませんでした。この結果はSABCS2017で報告されました。このためトラスツズマブの術後補助療法は1年間投与が確定したといえます。

 またトラスツズマブの適応基準を見直すためのNSABP B-47試験において、HER2のIHCスコアが1+、2+の人では化学療法へのトラスツズマブ追加の有効性は示されませんでした。この結果は予想どおりではありますが、HER2の判定をいかに正しく行うべきかを再認識させるものと考えています。

 HER2陽性進行・再発乳癌の1次治療については、トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセルの併用療法が標準治療になっていますが、ドセタキセルの毒性により長期投与ができません。しかしドセタキセルをエリブリンに変更することによって、毒性は軽減し、良好な奏効率とPFSが得られることが、日本のフェーズ2試験JBCRG-M03で明らかになりました。この結果を受け、トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセルとトラスツズマブ+ペルツズマブ+エリブリンを比較するフェーズ3試験がオールジャパンで進行中です。

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