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エリアレビュー◎AACR-NCI-EORTC2017
免疫応答を活用した新たな薬剤の開発進む
腫瘍の微小環境の研究から次の治療開発の糸口を見つける

2017/12/06
神戸大学大学院医学研究科腫瘍・血液内科学/神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科教授 南 博信 氏

 AACR-NCI-EORTC INTERNATIONAL CONFERENCE“MOLECULAR TARGETS AND CANCER THERAPEUTICS”(AACR-NCI-EORTC2017)が、米国フィラデルフィアで10月26日から30日まで開催されました。今年も免疫関連の演題が多く、薬剤の開発は10年前のMolecular targetオンリーの時代から免疫の方向に移っていることを実感しました。

 その中で興味深かったのは、毒性を軽減し、かつ免疫反応を生かす新しい技術を用いたbispecific antibody(二特異性抗体)の開発です。またウイルス製剤とプロドラッグを併用した新規治療法が、脳腫瘍患者において持続的な効果を認めました。一方、治療に直結するものではありませんが、腫瘍の微小環境におけるエクソソームを介した間質と癌細胞のやりとりや、免疫回避のメカニズムなど、癌のバイオロジーを知る上で有用な演題がありました。ただ、免疫関連の発表は他の学会で行う機会が増えているためか、昨年に比べて教育的な内容が多くなった印象もありました。

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