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エリアレビュー◎ESMO2017・乳癌
CDK4/6阻害薬はホルモン受容体陽性乳癌の救世主となるか
結論はOSデータと術後補助療法の試験結果を待ってから

2017/11/07
国立病院機構大阪医療センター外科医長・乳腺外科科長 増田 慎三 氏

 ホルモン受容体(HR)陽性HER2陰性進行乳癌に対し、CDK4/6阻害薬abemaciclibと非ステロイド型アロマターゼ阻害薬(NSAI)の併用療法による1次治療の有効性がフェーズ3試験MONARCH-3で明らかになりました。これによりパルボシクリブ、ribociclib、そしてabemaciclibと、3つのCDK4/6阻害薬の1次治療データが出揃ったことになります。

 どの薬剤も同じようにホルモン療法単独に対する上乗せ効果が証明され、再現性が確認できたことは大きなインパクトがあると思います。これによりCDK4/6阻害薬が、奏効率を上げ、かつ無増悪生存期間(PFS)を延ばすことは確固たる事実になったと考えられます。

 ただし全生存期間(OS)に関しては、パルボシクリブのPALOMA-1試験で有意な延長は示されていません。PALOMA-1はフェーズ2試験ということもあり、ここでOSを論じるのは時期尚早ですが、CDK4/6阻害薬がHR陽性乳癌の予後を改善し、本当にHR陽性乳癌の救世主になるかどうかは、今後報告されるであろうOSデータやいま進行中の術後補助療法の試験の結果が出ないとはっきりしたことは言えないと思います。

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