
司会の杏林大学医学部内科学腫瘍内科の古瀬純司氏(左)、和歌山県立医科大学外科学第2講座の山上裕機氏(右)
切除不能膵癌に対してFOLFIRINOXやゲムシタビン+nab-パクリタキセルが使われるようになり臨床成績は大きく向上し、現在承認されている薬を使い切ることが予後延長につながることがわかってきた。また全身化学療法だけでなく、導入化学療法後の化学放射線療法の開発も進んでいる。抗腫瘍効果の高い化学療法によって切除不能から手術適応へコンバージョンする可能性も高くなっているが、それに伴う問題点も見えてきた。
第48回日本膵臓学会大会が7月14日、15日に京都市で開催され、パネルディスカッション「化学療法の進歩に伴う切除不能膵癌の新しい治療戦略」では、切除不能膵癌に対する1次治療と2次治療、局所進行癌の化学療法、さらにコンバージョン手術について議論された。パネルディスカッションの冒頭にはボーダーライン切除可能膵癌と切除不能膵癌の症例が呈示され、アンサーパッドを使った会場からの回答には実地診療の現状が反映されていた。
司会は杏林大学医学部内科学腫瘍内科の古瀬純司氏、和歌山県立医科大学外科学第2講座の山上裕機氏。パネリストは、がん研有明病院消化器内科の尾阪将人氏、杏林大学医学部腫瘍内科の岡野尚弘氏、静岡県立静岡がんセンター消化器内科の福冨晃氏、和歌山県立医科大学外科学第2講座の川井学氏、大阪国際がんセンター消化器外科の高橋秀典氏、北海道大学大学院医学研究院消化器外科学教室IIの平野聡氏。