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連載◎癌治療の最前線から
セカンドオピニオンで患者にどこまで話せるか
医師同士が情報を共有してこそできる満足のいくセカンドオピニオン

2016/12/01
大阪大学大学院医学系研究科先進癌薬物療法開発学寄附講座教授 佐藤 太郎 氏

 大阪大学病院には、標準治療が始まった後で抗癌剤の専門家に診てもらいたいと考えて来られる患者や、治療選択肢がなくなって関連病院から紹介されてくる患者が多くなっています。

 10年前だと1次治療でも、難しい化学療法だから専門病院で診てもらいなさいと、がんセンターや大学病院の腫瘍内科に紹介される患者が多くいました。しかし現在は、ガイドラインが整備されたこと、ガイドラインにのっとった治療を行うという医師の意識が高まったことで、均てん化が進んできました。その結果、標準治療を普通に実施できる施設が増え、間違った治療は受けていないと感じる患者が増えています。

 今後、大学病院は、サルベージ・ラインでの新薬の評価や、全世界規模で行われる第III相試験に参加するための導入部分となる小規模の日本人を対象にした第I相試験、第Ib相試験に注力していくべきではないかと考えています。関連病院などで3次治療、4次治療を経ても患者が若くて元気もあるという場合に、大学病院に行けば何か新薬があるかもしれないといった連携ができます。

 このように、新たな治療や治験を求める患者に対応するためには、関連病院などとコミュニケーションをとり、情報を共有することが重要になってきていると感じています。我々は現在、50以上ある関連病院とのミーティングを3カ月に1回程度行っており、そこで実施中の治験の紹介をします。その折に関連病院の先生から「このような状況の患者がいますが、どうでしょうか」と紹介されることがあり、さらに週に1から2回は関連病院からの紹介の連絡があります。

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