日経メディカルのロゴ画像

リポート◎日本婦人科腫瘍学会学術講演会2016
日本の現状を考慮して子宮頸癌治療ガイドラインのエビデンスを見直し
文献検索の客観性を改善、新規治療は日本発のエビデンスにも期待

2016/08/08
森下紀代美=医学ライター

座長の熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学の片渕秀隆氏(左)と東海大学医学部専門診療学系産婦人科学の三上幹男氏(右)

 ASCOが発行しているJournal of Global Oncology誌のオンライン版(2016年5月25日号)では、浸潤性子宮頸癌の治療ガイドラインのレビューにおいて、日本の子宮頸癌治療ガイドライン2011年版が世界的なガイドラインの1つとして、カナダ、ESMO、NCCN、WHOのガイドラインとともに選ばれた。

 そして現在、子宮頸癌治療ガイドラインは2017年7月の発刊を目指し、改訂作業が進められている。

 子宮頸癌は、妊孕能を温存しなければならない20代、30代に患者が集中している。2017年版のガイドライン委員会委員長を務める熊本大学大学院生命科学研究部産科婦人科学の片渕秀隆氏は、「2011年版の発刊から5年の間に子宮頸癌の状況が変わってきた」と話した。治療においては、子宮頸部摘出術(trachelectomy)が多くの施設で導入され、ベバシズマブが子宮頸癌に対する分子標的治療薬として初めて承認されるなど、新たな状況が生まれている。また、2012年に発刊された子宮頸癌取扱い規約第3版では、臨床進行期分類と組織分類が変更され、2014年にはWHO分類の組織分類の改訂が発表された。

 2017年版では、これらの変化を踏まえて改訂が行われるとともに、これまで課題とされていた、より客観的に文献検索を行うための新たな方法も導入されている。ただし、改訂の基本方針として、不要な改訂は避け、日本の現状を十分考慮することがあげられている。

 米子市で7月に開催された第58回日本婦人科腫瘍学会学術講演会の「子宮頸癌治療ガイドライン2017 コンセンサスミーティング」(座長:片渕秀隆氏、東海大学医学部専門診療学系産婦人科学・三上幹男氏)では、2017年版のガイドライン委員会の主幹事と小委員長の5人が主な変更点について解説した。

山形大学医学部産科婦人科学講座 永瀬 智 氏(主幹事)
熊本大学医学部保健学科 田代 浩徳 氏
新潟大学大学院医歯学総合研究科産科婦人科学 榎本 隆之 氏
杏林大学医学部産科婦人科 小林 陽一 氏
近畿大学医学部産婦人科学教室 万代 昌紀 氏

この記事を読んでいる人におすすめ