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新たな転換期を迎える腹腔鏡下肝切除術
亜区域以上の範囲が大きな肝切除が保険収載へ
上尾中央総合病院外科科長 若林剛氏に聞く

2016/03/30
森下紀代美=医学ライター

 平成28年度診療報酬改定において、「腹腔鏡下肝切除術(亜区域切除、1区域切除(外側区域切除を除く)、2区域切除および3区域切除以上のもの)」が新たに保険収載されることとなった。日本肝胆膵外科学会が提案書を提出し、医療技術評価分科会で評価が行われ、中央社会保険医療協議会の審議を経て、有効性と安全性などが確立している術式として新設されたもの。

 腹腔鏡下肝切除術のうち、部分切除と外側区域切除は2010年に保険収載され、手症例数は年々増加している。2014年10月に岩手県盛岡市で開催された第2回腹腔鏡下肝切除術国際コンセンサス会議(ICCLLR2014)では、部分切除と外側区域切除は標準治療の1つと位置づけられ、術後合併症や入院期間などは開腹肝切除術よりも優れることが示された(Wakabayashi G, et al. Ann Surg(2015)261:619-629)。海外では、日本の開腹肝切除術が高い評価を受けるとともに、腹腔鏡下肝切除術も高い水準にあると認識されている。こうした進展の一方で、一部の施設における高難度の手術後の死亡事例が報道され、患者や国民に不安や誤解を与える事態も生じた。

 今回の改訂により、腫瘍が複数個ある場合や腫瘍径が大きい場合など、より切除範囲が大きな肝切除術が必要な場合にも、保険を適用して腹腔鏡手術で行うことが可能になる。

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